排水設備

タイでは、2000年に発生したマタプット工業団地で発生した排水、河川流出事故により、大きな環境事故が発生して以来、環境に対して、厳しい数値管理を実施しております。排水基準に関しては、大きく2つのエリアに分かれます。

工業団地管轄、工業団地以外管轄であります。ただし、すべての工業団地に適応されるのではなく、IEAT(Industrial Estate Authority of Thailand)の所轄の工業団地に対してのみ適応であり、それに属さない工業団地に関しては、工業団地以外(一般土地)の基準適応となります。
IEATに所属する工業団地は、各工場から放流される排水を自社の総合処理場に集めて、最終的に、一般土地と同じ河川放流可能レベルまで落とさなければなりません。

そのためにIEAT管轄の工業団地の基準は、一般土地所轄の数値より、緩くなっております。

例えば、IEAT管轄の工場放流排水基準は、COD<750 mg/L, BOD<500 mg/L,Oil& Grease<10 mg/Lであるのに対して、一般土地では、COD<120 mg/L, BOD<50 mg/L Oil&Grease<5mg/Lとさらに基準が厳しくなっております。

一般土地は、IEAT管轄の工業団地より土地代が安く、かつ 工業団地から排水処理量を徴収されないので、基準が厳しくて当たり前だというのがコンセプトです。一般土地に工業が立地する場合は、当然、排水設備設置のイニシヤル費用も余分にかかると思って頂いて結構だと思います。

弊社とローカル企業との違いを下記のとおり列記させていただきました。

設備設置後、6カ月間のフリーメンテナンスがございます。

これは、月1回の定期訪問と、期間内無制限の緊急対応が付帯しております。
ローカル企業の場合は、一切、無償のメンテナンスはなく、極論すれば、売り切り御免の対応が主となります。

弊社は、排水設備導入にあたり、

まずはサンプル水を顧客から頂き、弊社ラボで、模擬試験機を用いて、実際の原水と処理水のCOD,OiL,重金属等の数値を検査機関に提出して、そのレポートで実際の効果が確認できてから設備設計を行いますので、設置後、実機が処理ができないというケースは、過去1例もございません。

他方、ローカル他社の場合は、事前に模擬テストを実施せずに、自分達の提供可能なシステムを提供するのみであり、設置後、能力不足に陥り、最悪のケース、利用を断念せざるおえないケースも散見されます。

弊社は、社員15名の小規模な所帯でありますので、

可能な限り、故障なく、設備が稼働することを主眼としております。ポンプ、pHセンサー、バルブ等の主要部品については、全て日本メーカーを使用しております。ローカルは、1年もとで、良いというコンセプトなので、ブランドに拘らず、コスト重視で安価な中国製を使用しております。

また、弊社のシステムは、タイでは少ない、バッチ式の自動システムで

三菱電機製のプログラムコントローラーを使用して、プログラムでポンプ、エアーの開閉、pHの調整、薬品の流量調整を行っておりますので、自動運転後は、基本オペレーター様は、フリーとなります。他方、ローカルは、すべてマニュアルかタイマー操作のため、また、ほとんどのケースで大きな沈殿槽が一つしかなく、そこで、ケミカル調整、沈降まで、一気に行うために、途中で排水が変化した場合などは、対応ができず、オペレーターに熟練度が必要となり、設備に付きっ切りで、他の仕事と掛け持ちということができず、専属対応となってしまいます。

いままで、ローカル設置の排水設備を見てきていますが、熟練の担当者が退職した後、装置の取り扱いがわからず、排水処理がされずに、ただ、悪戯に、設備が稼働しているだけという状態を何度も目にしてきております。

弊社のバッチ式凝集沈殿装置は、非常にコンパクトで、

日系を含め他社の連続式処理に比べますと、所有スペースが最低30%は削減可能となります。

タイの日系スーパーゼネコンは、日系の排水設備会社とジョイントして、できるだけ

大きなコンクリートの箱ものを作る傾向があります。弊社とは、全く真逆の方向に進んでいると言えるでしょう。

いかがでしょうか。上記のように弊社競合他社とのコンセプト及びシステムの違いがございます。最近、日本人駐在員の数もコストの関係で激減しており、その分、タイ人に権限移譲している会社も多いです。しかし、彼らのなかには、個別にローカル会社から紹介コミッションを目当てに、受注を決めるケースが目立ってきております。やはり、大きな投資となりますので、そこは、日本人が間違った投資をしないように、目を光らせる必要があるのではないかと、最近特に思いますし、弊社もそのような、エクセレントカンパニーとのお付き合いを切に望んでおります。
タイ人も、3K(きつい、きたない、危険)の仕事を特に最近では、避けるようになりました。ローカルが提供する設備は、排水設備で言えば、博物館にはいるような、ここ20年何も変化してこなかったような装置でございます。それらは、まさに3Kをオペレーターに強いるシステムでございます。

タイでもAI化が進んでおり、小売り店、銀行でも省人化、あるいは、オンライン化が進んでおり、今後は、人が余ってくるのではないかと思われます。また、最近、工場を訪問させて頂いても、第一印象としては、自動化が進み、人が少なくなったという印象がございます。もう、その流れはもとに戻すことは、できませんので、排水設備においても、省人化を本気で一考される時期に来ているのではないかと痛感いたします。

排水設備

浄化槽掘削工事

浄化槽設置完了 (地下タンク)

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制御盤(メイン)

制御盤(処理槽タンク用)

薬注ポンプ